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火の魚 原田芳雄&尾野真千子
瀬戸内海の島で暮らす作家・村田省三(原田芳雄)と編集者の折見とち子(尾野真千子)との交流が描かれています。はじめはすれ違っていた2人が次第に心を通わせていく様子がいいですね。最後の展開はちょっとさびしげでしたけど、すがすがしい感じを受けましたよ

村田は白いスーツとズボンと帽子に身をかため、10年ぶりに島を出ました。バラの花を抱えて「会ってくれるだろうか」と病院の階段を登っていきます

半年前、大崎下島の村田のところへ、折見がやってきました。編集者の伊藤の代わりに来たという折見を、村田は気に入らないようで、追い出します。バケツの水をかけれられそうになり、折見の足がグキッとなってました(笑)


船が出る時間までだいぶあるので、折見は砂浜に龍の絵を描きます。村田は八百屋のかおり(高田聖子)に文句をつけて、値段を負けさせました。折見が龍を書いてくれたと子どもが言うので、海岸へ行きますが、折見はいません

再び折見がやってきますが、その態度が気にいらないようで、村田は金魚の方が愛想がいいと言います。小説の金魚娘のモデルがその金魚とわかり、折見は持ち上げました。折見が人形劇サークルに入っていたことを知ると、村田は子どもたちに見せろとせがみます。折見は島の子どもたちに、オスカーワイルドの幸福な王子を披露します。カラフルな影絵で、子どもたちは本当に見入ってましたね。浜崎ゆう子の影絵だそうです。みんなに好評で、2回目は一寸法師を見せます

村田は「俺は折見を好ましく思いはじめていた。そしてそのことに戸惑っていた」と心の中でつぶやきました。でも本屋のおばあさんに嫌がらせ(笑)

**
折見がすばらしいとしか言わないので、村田は好きな作家を聞きました。折見が「カポーティ、チェーホフ、横光利一」と答えると、村田は「それを読んですばらいしと思うお前が、本当にすばらしいと思うのか?」とたずねてきます。折見が「実は思っておりません」と言うと、村田は一冊も俺の本を読んでいないんだろうと怒り出しました。折見は「すべて読んでいて、42歳のときの「陰影」が最高傑作だが、島に引きこもってからの作品に失望し、腹が立っている」と話します。金魚娘は頭がからっぽでメイドカフェのメイドと酷評。村田は冥土珈琲と書いてましたね(笑)

村田は胃に腫瘍が見つかり良性でしたが、虚勢を捨て島へ移り住んだのでした。それから作品が形骸化したと自分でもわかっていたのです。村田は「死におびえながら死んだように生きている。だがその何が悪い。あきらめていればよいものを、求めようとしたときに苦しみが始まる。俺はもう何にも求めたくないのだ」とつぶやきます

原稿を読んだ折見が「金魚娘が死んでしまいました」と言うと、村田は「お前に酷評されたからな」と答えました。怖いものを聞かれた折見は「死ぬのが怖いです」と答えると、村田は「お前に何がわかる」と怒り出します。単行本の装丁についてたずねると、村田は大事にしている金魚で魚拓を取れと言い出しました。「人生なんて、かつて自分が金魚だった、それを魚拓にされるまでの物語だ。実に意外でひどく残酷なんだよ。耐え切れるものじゃないよ」と村田は話します

***
折見は泣きながら、魚拓を取りました。きれいな魚拓は取れたけど、金魚は死んでしまいましたね。太陽の周りにできた虹がきれいです。食堂で出されたタイの刺身を、折見はパクパク食べます(笑)

しばらくして折見が島にやってこなくなりました。村田が編集者の伊藤(岩松了)に電話すると、折見はガンで入院したと話します。2年前に手術したガンが再発したのです。村田は残酷なことをしたと後悔しました。落ち込んでいる村田に、八百屋のかおりが「花を持って行きなさい」と声をあけると、村田は走り出します

村田はたくさんのバラをかかえ、折見の病院へ行きますが、なかなか会えません。外で村田が座り込んでいると、折見がやってきてきました。村田が「悪かったな。すべてだ。気の進まない人形劇をやらせ、年寄りの愚痴を聞かせ、金魚を殺させ、編集者として俺という作家に関わらせたことを悔やんでいるよ。お前の病気のことをよく知っている。ストレスが一番よくないんだ」と謝ります

****
折見は「私をあなどられては困ります。むしろ逆でございます。2年前に手術をしてからこの世で一番孤独だと思っていました。しかし先生は私以上にさびしい方でございました。先生の無残な孤独ぶりだけが心のなぐさめでした」と話します。そして、村田をなぐさめられると思い、自分から島へ来たと打ち明けました

さらに折見は「先生、死を意識されたことはおありですか。そのとき人間は果てしなく孤独です。でもその孤独こそが、先生と私を強くつなげてくれる気がしていました」と話します。花を受け取った折見が「私、今もてている気分でございます」と泣くと、村田は「あながち気のせいでもないぞ」と答えました。そして2人は別れます

船の上で、村田は「折見、お前が持って生まれ、そしてお前なりに守り通すであろうその命の長さに、俺が何の文句がつけられよう。心配すんな。俺とて後に続くのに、そんなに時間はかからんさ。だがそれでももし叶うなら、今生どこかでまた会おう」とつぶやきます。原作・室生犀星、脚本・渡辺あやの文化庁芸術祭大賞受賞作品です。切ないような悲しいような、それでいてちょっと温かい物語でしたね
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